「鵜殿 正雄展」<信州 山の日企画展>

『すばらしき山々~「信州 山の日」企画展』内容紹介第3弾

 

今回は「鵜殿正雄展」のご案内です

 

鵜殿氏は、日本人の登山家として、現在の前穂高岳の初登頂、初の穂高槍縦走などの功績を残している黎明期の北アルプス探検登山家ですが、知っている方は少ないのではないでしょうか。

明治10(1877)年、長野県小県郡長瀬村(現・上田市長瀬)に生まれた鵜殿氏は、木曽山林学校第3回生として入学。山林高校生時代に前穂高岳に初登頂を達成します。その後も穂高岳から槍ヶ岳、奥穂高岳から西穂高岳の縦走を成し遂げるなど、明治末から大正期の近代登山黎明期に偉大な足跡を残しました。

 

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そんな業績を持ちながらもあまり知られていない理由としては、鵜殿氏本人も会員であった「日本山岳会」は当時都会人を中心として成長しつつあったため、長野県という地方から発信を続ける鵜殿氏はあまり評価されることはなかったからではないかと考えられます。

 

その後、家業に専念するため本格的な探検登山をやめたこともあってか、業績は次第に忘れられていきます。後に登山史上で断片的に紹介されてきたものの、人物像は1983年に上條武氏が鵜殿氏の遺稿や親族への聞き取りをもとにして『孤高の道しるべ』(銀河書房)【N786/89】を刊行するまではほとんど知られていませんでした。

 

今回当館では、上條氏の上記著作や、鵜殿氏が当時盛んに寄稿していた日本山岳会機関誌『山岳(復刻版)』全37巻(アテネ書房)などにより、日本の登山史上に残る偉大な長野県人 鵜殿正雄氏を紹介しています。

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その他にも関連資料として下記の図書をご紹介しています。

『近代日本登山史 増補』安川茂雄著,四季書館.1976【786/74】

『日本登山史』山崎安治著,白水社.1969【786/49】

『小島烏水全集 第7巻』小島烏水著,大修館書店.1979【918.6/300/7】

『日本風景論 (増訂8版)』志賀重昂著,政教社.1897【291.09/174】

『富士講の歴史』岩科小一郎著,名著出版.1983【163/30】

 

『孤高の道しるべ』以外の上記資料は貸出できますので、ぜひご利用ください

 

郷土が誇る知られざる登山家 鵜殿氏について、もっと詳しく知りたくなった方はぜひご来館くださいね

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